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私の好奇心3

富山本部校高校部

今回も大西琢朗さんの「論理学」で学んだことについて書いていこうと思います。第2章についてのものになります。

いくつかの命題(前提)から別な命題(結論)が成り立つことを示す(示そうとする?)ことを推論とよびます。その推論が妥当でないとは,すべての前提に対する付値が1,かつ結論に対する付値が0となる付値(関数)がある場合で,そのような付値(関数)は反例モデルとよばれます。一方,どのような付値(関数)をとっても,すべての前提に対する付値が1ならば,結論に対する付値が必ず1となるような推論は「妥当」であるといわれます。

これをもとに,トートロジー(=同語反復の意味だが,論理学では「恒真式」)とよばれる論理式が妥当であることが示されます。また,対偶,三段論法,ド・モルガンの法則などが妥当な推論であると示すことができます。そして,典型的な誤謬(ごびゅう)が妥当でないことも示されます。もっとも,示すのは例題のように読者に任されていますが…。

面白いので,誤謬の例を挙げてみましょう。「理系ならば理科か数学が抜群である。」と「あの理系の人は理科が抜群である」から「あの理系の人は数学は抜群でない」を結論しようというものです。この例では,すぐに数学も抜群である場合も考えられるのでおかしな推論であることはわかると思います。

さらに,実質含意のパラドクスでこの章が終わります。実質含意のパラドクスとは「AならばB(論理記号を用いて,A→B)」で,前件Aが成り立たなければ後件Bが正しくても誤っていても真であると扱われることで,直観的にはおかしなものが正しい命題となってしまうことをいいます。例えば,「1×1=2」ならば「日本は南半球にある」,というのが真であることです。数学の論理展開のためにはこれを認めるのがよいのですが,やはり違和感を感じざるを得ません。

誤謬や実質含意のパラドクスの例がたくさん挙げてあり,やはりこの本は面白いと思います。

なお,有名なインターネット書店の書評に「解答がついていないので,練習問題を解いても正しいのかわからない。」とのコメントがありましたが,新しいコメントでは著者が解答を公開しているとありました。調べてみると確かに解答を公開されていますので,さっそく利用させて頂いています。コメントを書かれた方,もちろん,大西先生も大変ありがとうございます。

 

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