私の好奇心5
富山本部校高校部
大西琢朗さんの「論理学」で学んだことについて書きます。第3章の追加になります。
前回の記述ではあまり分かってもらえそうになかったので,記述を追加します。
現在の状況(“世界”)とそこから到達可能な状況を集めたものとして,”可能世界W“という集まりを考えます。集合的に言うと,Wの要素として,w,x,y,z,…があるという感じです。そして,世界wから世界xが”到達可能である”ことをwRxと表します。
古典命題論理についてはこれまでと同じように扱えます。現在の世界がwであるとして命題pがなりたつならば,pは真であるといいます。そして,これを付置関数を用いてv(w, p)=1と表します。(“世界”を考えなければ,命題pがなりたつならば,pは真といい,v(p)=1となります。) 命題p,qについて,「pでない」,「pかつq」,「pまたはq」,「pならばq」がなりたつことを,”v(w, ¬p)=1″,”v(w, p∧q)=1″,”v(w, p∨q)=1″,”v(w, p→q)=1″のように表します。
そして,「絶対に~である」(記号□),「~である可能性がある」(記号◇)という様相を付け加えるには,次のようにします。wから到達可能なすべての世界で命題pが真のとき,□pが真であるといいます。付置関数を用いて表すと,wRxを満たすようなすべてのWの世界xに対しv(x,p)=1であればv(w,□p)=1,また命題pがなりたつようなwRxを満たす,つまりv(x,p)=1となるWの世界xがひとつでもあればv(w,◇p)=1となります。
ちなみに,「でない」,「ならば」を表す論理記号は,哲学系では”~”,”⊃”を使うことが多く,私の大学時代のテキストもこれを用いてありました。数学系は「でない」は”¬”,「ならば」は”⇒”(高校数学流)または”→”です。理系の私としては数学系の記号の方が分かりやすいのですが,大西先生は哲学系の方にも関わらず数学系の記号で書いていらっしゃるのでありがたいです。
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