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育英センター 田中の教育ブログ「令和7年度 富山県立高校入試を振り返る その2」

滑川校

前回の記事に続き、引き続き令和7年度の富山県立高校入試を振り返っていきます。

 

~私立専願の増加~

 

近年、「学校の先生から私立を勧められた」という生徒たちの声が多く聞かれるようになってきました。

 

野球やサッカー、陸上など、スポーツで突出した実績を出し、推薦入試で私立に進学するケースは今も昔もあります。

しかし、部活動で目立った実績を出した層ではない生徒たちであっても、進路指導において私立を勧められるケースが増えているのです。

 

また、オープンハイスクールに参加し、学校の校風、教育の特色を県立高校と比較した結果、生徒自身の希望で私立高校専願に決める、というケースも増えてきています。

 

 

自身の経験から話をしますと、私が十数年前に育英センター滑川校に勤務していたころにも、塾生で進路選択の際に勉強をとるか、スポーツをとるか本当に悩んだ子が多くいました。

 

ある子は「勉強はいつでもできるが、甲子園は今しか目指せない」と私立への進学を決め、ある子は「バスケでウィンターカップを制したい」と県外の私立に飛び込みました。

イノベーション?番外編

 

 

今年担当している滑川校の塾生でも、御三家や東、魚津に普通に合格する子たちが、中学校の進路指導で私立を勧められ、専願で私立高校への進学を決める例が複数ありました。

昨年度担当した塾生でも、通知表オール5の子が私立専願で進学を決めています。

 

以前の「県立王国」の富山県では、なかなか考えられなかったことです。本当に時代の変化を感じます。

昔は「なんとかして県立に合格させてほしい」という要望が多くあったものです。今はそういう要望が本当に少なくなりました。

 

 

さて、お隣の石川県であった、2年前のこの記事をご覧ください。

私立高校一般入試7割超が不合格

 

専願比率が50%を超える私立高校が多くなってきていますね。

それらの私立高校は特色のある校風、学習と部活動の両立などの魅力を打ち出して県立高校との差別化を図っています。

 

そして同時に人気のある私立高校は入試の基準が厳しくなる傾向が強くなっています。

 

一部の私立高校はもはや、県立の滑り止め、という見方から離れてきているのです。

 

 

中学校の先生方の強い思いとして、「教室の皆が確実に進路を決め、巣立っていってくれること」があるかと思います。

 

 

私立高校が県立高校不合格者の受け皿として確実に機能する、という保証が無くなると、いったいどうなるのでしょうか?

 

間違いなく、併願よりもハードルが下がる専願、推薦入試で早々に私立高校に決めてほしい、という進路指導が今よりも増えるでしょう。

 

 

先ほどの石川県の私立高校の一般入試で7割超が不合格、というニュースはまさにそれを象徴するものでした。一般入試を前に、高校側の予想を大きく超える入学確約があったのです。

 

 

そうなってくると、入試日程の遅い県立高校は生徒募集において非常に不利になりますね。

また、「普通科」という特色が伝わりにくい名前も、生徒たちの心にイマイチ刺さっていない感があります。

 

近年の富山県立高校入試の低倍率には、やはり私立高校への専願での進学者増が影響していると考えられます。

 

 

福井県のように、2月に県立高校の入試を前倒しにして生徒獲得競争に打って出る、というのも一つの作戦ですが・・・

 

育英センター福井本部校の先生方に聞いてみると、やはり入試の早期実施にはメリットとデメリットがあるようです。

 

※これを書くと長くなるので、また機会があれば記事にしたいと思います。

 

 

~県立高校の受験日まで気力が持つかの勝負~

 

県立高校の受験日は3月初旬ですが、2月初旬でクラスの半数以上の進路がすでに決まっている、という状況になっている中学校も増えています。

 

すでに進路が決まって安堵している生徒がクラスの過半数を占めると、これから県立入試に向かう生徒たちには焦りが出てきます。

 

県立高校の受験を直前に控え、最後の追い込みの時期である2月~3月初旬、授業中の雰囲気や、休み時間の過ごし方も中学校によって大きな差が出ているようです。

 

都会の公立小学校や中学校で起きている「入試が近付くと学校に皆が行かなくなる現象」が起きないことを切に願います。

 

次回の記事に続きます。

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