デジタル世界にはなじめない
富山本部校高校部
カレンダーの予定をふと見ると、車検の日が近づいていることに気づいた。
ありゃ、この日は確か出勤になったんだよ、と思って、
取り急ぎ担当営業マンに電話して、日時を1週間後にずらしてもらった。
最近は単なる定期点検でも、車屋さんのアプリから入って半年後の予約をとり、自ら車を持っていく。それが常識になっているようで、担当営業マン(中学時代からの友人)にも、
「半年後の細かい予定なんかわからないし、予約してもきっと覚えてないよ」
と半ば不満げに言っていたが、案の定忘れていた。
以前は営業マンとの申し合わせで日時が決まり、車検の日の朝、営業マンが代車とともにウチに現れ、車検が終わるとまた車をウチに戻してくれて、四方山話でもしながら書類にサインなどしたものである。
人と顔を見合わせることもなく、会話を交わすこともなく、
ただパソコンやスマホの画面に触れるだけで自分の未来が決まっていく。
若者たちは便利なことこの上ないと思うのかもしれないが、
昭和生まれの者とっては、何とも味気なく、時にもどかしくもある。
同じ昭和生まれの担当営業マンが、仕事上の体面とは裏腹に、
時折苦虫を噛み潰したような表情を見せるのを、
僕は見逃さなかった。
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