自(おのづ)から発(おこ)る
富山本部校高校部
今高校1年生は、古典文法の助動詞の習得に努めています。
最初は「る」「らる」。現在の「れる」「られる」に相当する助動詞で、
受身、尊敬、自発、可能の4つの意味があります。
住み慣れしふるさと、限りなく思ひ出でらる。
(住み慣れたもとの家がこの上なく思い出される)
「自然に思い出される」だから、意味は「自発」なのですが、一番前に座る生徒が、
「これ、『できる』じゃだめなんですか?」
なるほど「思い出すことができる」と「可能」で訳しても「だめ」と全否定はできません。
「しかし」です。
「自発」は「(自然に)~れる。~られる。」だけでなく
「つい~てしまう」とか「~せずにいられない」とも表現されます。
何かをきっかけに、心の中にふとおのずから湧き上がる感情表現なのです。
「自発」を英語で表すと「can」を使うしかないと聞いています。
とすれば、「自発」は日本語特有の表現だとも言えます。
普通「思ふ」「泣く」など心情に関わる動詞に付く「自発」ですが、
こんな場合もあります。
筆をとればもの書かれ、楽器をとれば音を立てんと思ふ。
筆を手に取ると、ついものを書いてしまい…
普段文筆を生業としている人が筆を手に取ると、
何かを書かずにはいられなくなるわけです。

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