育英センター 田中の教育ブログ「新時代とやまハイスクール構想 第一期再編案 その2」
滑川校
前回の記事では、新時代とやまハイスクール構想の7つの類型、STEAMハイスクールについて述べました。
次は「未来探求ハイスクール」について書いていきます。
②未来探求ハイスクール(中規模) 第一期(2029~)
県西部では高岡商業、小杉の2校、県東部では富山商業、滑川の2校が未来探求ハイスクールとして生まれ変わることが公表されました。
しかし、未来探求という言葉では、なかなかその中身を想像することが難しいですね。
構想での「目指すべき学校像」は下の通りとなります。
タイプ1「得意を生かせる学校」→富山商業・高岡商業の2校 定員はおそらく両校とも6学級(240名?)の計画。
※参考:2026入試では、富山商業は240名の定員充足、高岡商業は定員200名に対し3学科計27名の定員割れとなり、2次募集を行った。
専門分野(スポーツ・芸術・情報・商業・家庭)の深い知識・技術・実践的能力を養う学校です。
取り組み例として、地域社会との連携(まちおこしプロジェクトの提案やまちフェス等の開催…)、AIやデータサイエンスの活用、外部との協力(プロのスポーツ選手や芸術家との交流、大学や地元企業、YouTuberとの連携…)など挙げられていますが…
個人的に一番目を引くのは「部活動に打ち込める環境整備」というところです。
部活動(スポーツ、文化・芸術等)において、高い成果が期待できる部を強化指定部とし、部活に打ち込める環境を整える…ということですが、
設備・指導者といった環境だけではなく、部活に打ち込む時間も充実させる計画です。
具体的には、卒業のための単位数を最小の74単位に設定、午前授業のみの日を週に1~4日作る→部活動に打ち込める時間が増える…という感じです。
総括しますと富商、高商が元となるタイプ1は、「部活動に注力する」という色が濃い計画のように感じます。
特に高岡地区は私立高校(県外含む)との生徒獲得競争が激しい地域でもあります。
推薦入試段階での生徒獲得が成功のカギになりそうですね。一般入試が3月にある時点で、生徒募集について非常に不利であることは間違いありません。
推薦枠は現状すでに富商、高商両校とも定員の50%と、全国的に見ても上限に達しています。
よって推薦出願において、生徒・保護者や中学校側の負担を減らす仕組みづくりなども求められてくるのではないでしょうか。
私立の高専である、徳島の神山まるごと高専は、推薦入試に当たって推薦資格に制限がなく、中学校の校長先生や担任の先生に限らず、受験生の長所やモノをつくる力を理解している人なら誰でも推薦者になれる仕組みです。なお、塾の担当の先生も多く推薦書を書いています。
https://kamiyama.ac.jp/admission/2027/
部活動の地域移行が進む中、中学校の先生方は生徒の活動を把握しにくくなっていきますよね。
大会での顕著な実績、入賞結果のみしか見えなくなってしまえば、生徒本人の普段の努力やのびしろが考慮しにくく、推薦受験者の数を増やす方向に物事は進みません。
入試の要項の段階で、柔軟な策が必要なのではないでしょうか。
タイプ2「なりたい自分を見つけることができる学校」→滑川・小杉の2校 定員はおそらく両校とも6学級(240名?)の計画。
※参考:2026入試では、小杉は160名の定員充足、滑川は定員200名に対し4学科計24名の定員割れとなり、2次募集を行った。
多様な学びを通じ「なりたい自分」を見つけ未来を切り拓く力を育む学校です。
取り組み例として、多様な職業観を養うなかで自分の将来を具体的に思い描くキャリア教育、基礎学力の定着が必要な生徒や興味関心のある分野で発展的な学びがしたい生徒など個々のニーズに対応できる学習環境の整備、タイプ1同様に卒業のための単位数を最小の74単位に設定し午後を学校外での体験的な活動に充てること(外国人生徒のための日本語学習や学びなおしも含む)などが挙げられています。上市高校、富山いずみ高校、そして小杉高校の総合学科をパワーアップしたような感じでしょうか。なお小杉高校はN-E.X.T.ハイスクール構想における改革先導拠点校に認定されています。
富山県HPより
なお「外国人生徒の受け入れ」体制については、県立高校の大きな課題だと以前より考えていました。
※県立一般入試の問題などは、教科にもよりますが文字でびっしりとページが埋め尽くされています。
現状、日本語に不自由を感じる外国人生徒むけに、漢字のルビを振るスペースもありません。
2027現在富山県の人口は97万8千人ほど、100万人を割り込んでいます。
そして県内在住の外国籍の方の人口は2万5000人を超えました。
富山県HP↓
https://www.pref.toyama.jp/140611/kurashi/kyousei/kokusai/2026gaikokujinjuuminsuu.html
富山県に移住してくる外国籍の方々は、高齢者ではなく若い世代中心です。
富山は外国の方々にいろいろな面で支えられている県である、といってもいいでしょう。
小杉高校のある射水市は外国人居住者の数が3,850人。
滑川高校のある新川地区、および近隣の上市や舟橋、雄山などの外国人居住者を足すと3,400人弱となります。
総括しますと滑川、小杉が元となるタイプ2は、「キャリア教育・さらに増加していくであろう外国人生徒の受け入れ」を意識した計画のように感じます。
ただし、普通系学科の系列の例として理数系科目を中心に学習するもの、外国語科目を中心に学ぶものが挙げられていますので、大学進学も当然重視しているようです。
人種を超えた生徒のふれあいは、当然語学や異文化への関心を高めますので、良い影響を与え合う学校になれば素晴らしい、と考えます。
※勉強不足ですが、家政系の学びが普通系学科の系列に組み込まれる場合、教職員の配置などで不都合は生じないのでしょうか。
長くなりましたので、次回に続きます。
次は富山高校を活用するグローバルハイスクールについてです。
正直田中自身、7つの類型で一番将来像が見えにくいのがグローバルです。興味のある方は次回記事もぜひお楽しみに。
