富山育英センター

無料の体験授業・学習相談のお申込み・資料請求は
お電話でも受け付けています。

076-441-8006

受付時間 月〜土 9:00〜21:30

彼らの声に癒される頃

富山本部校高校部

宵口に残暑の火照り(ほてり)を冷ますため、

庭を前にテラスにじっと座っていると、鈴虫やコオロギの合奏が響いてくる。

ホッ、とする。

 

昔、父が何匹かの鈴虫をどこかで買ってきて、

その飼育ケースを茶の間の隅に置いていたわけだが、夜が深まるにつれ、

むつかしきまで鳴きののしるこそいみじけれ

〈わずらわしいくらい泣き騒ぐことはなはだしい〉有様であった。

中日ファンの父は、テレビ中継のない中日戦をよくラジオで聞いていたのだが、

プロ野球中継のアナウンスと、それを聞く父の歓喜や慨嘆の叫び、鈴虫の合唱が、

決して調和することなく茶の間を飛び交う様は、とても涼を求めるどころではなかった。

以後、どういうわけか、父が鈴虫を飼うことは二度となかった。

 

ちなみに、スズムシの古名はマツムシ、マツムシの古名はスズムシ、

コオロギの古名はキリギリスらしい。なんだかややこしいが、

古辞書にそう表記してあるとか、こう書いてあったとかが、名の変更の由来のようだ。

しかし、日頃古文を教えていながら、

今に至るまでこれを覚えようという気はさらさらなかった。

 

こうして夏の名残を残すテラスで、彼らの美しい合奏に耳を澄ましていられれば、

それで十分なのである。

 

富山本部校高校部 校舎ブログブログ新着