育英センター 田中の教育ブログ「高校入試の早期化」
滑川校
次年度の福井県立高校入試の日程が発表されました。
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1799329
2024年2/20(火)・2/21(水)の2日間で一般入試が行われます。
今年より5日間日程を遅らせることにした、との発表ですが、富山県、石川県の公立入試と比べると、それでも2週間ほど早い。
中学校の卒業式の翌日に県立の合格発表があるのではなく、合格発表があった後も中学校での生活が続くのです。
倍率が比較的高い福井県の場合、涙を呑む生徒も相当数います。
トップ校で言えば、藤島の倍率が1.24倍、高志で1.34倍であり両校合わせて140人超が今年不合格となったのです。
これをご覧になって、「ショックで中学校に行けなくなる子も出るのでは?」と思った読者の方もいらっしゃるでしょう。
福井の育英センターの先生たちに聞いたところ、生徒たちは合否に関わらず、決まった進路に向け、しっかり気持ちを切り替えているそうです。
志願変更制度がある場合、一次倍率を見て願書の出し直しが出来るわけですから、高倍率の高校を受ける子たちは、それを承知で出願しています。
落ちたらどうしよう、という気持ちよりも「この高校を受けないと絶対に後悔する!」という気持ちが勝っているわけですね。
これも合格発表後の気持ちの切り替えに寄与していると考えます。
さて、福井県は、公立高校の入試において、これまでもいろいろな改革を行ってきたことは過去のブログで取り上げてきました。
コロナ禍の影響もあるのでしょうが、早めに進路を確定させたい、という動きが加速する中、入試日程の早い私立高校を第一志望とする生徒が全国的に増えているようです。
そういった中、石川県では今年度の入試で、このニュースが話題になりました。
とある私立高校の一般入試において、7割超が不合格になった、ということですが…
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/985029
私立・公立を問わず、高校入試ではまず推薦入試を行い、その後一般入試が続く、という流れです。
先に行われる推薦入試において、予想を大きく超える第一志望の生徒の合格者が出た場合、当然一般入試の枠は減らさざるを得ません。
学校の受け入れ出来る定員というものがありますからね。
そして、その後の公立高校入試にも影響を与えた、というニュースが続くのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee41b558997d5ba20981c68919de764891e1dd3a
※なお、石川県も福井県同様、志願変更の制度があります。
福井県内の公立学校では、入試日程の早い私立高校に生徒をとられるのを、指をくわえて待っていられないという状況で…
・県立高校→一般入試を2月半ばに。
・国立福井高専→推薦入試を1月半ばに実施、入学確約書は1月末に受理。定員の7割は推薦入試で募集する。
という改革を行いました。
特に高専については、一般入試が全国一律のマークシート型試験であり、入試日を前倒しすることができません。
よって推薦入試での合格者を増やし、早期の生徒の確保に打って出た、ということでしょう。
少子化が加速する中、どの学校も生徒の募集について工夫を凝らしているのです。
※石川高専のように一般入試に社会が無く、英数理国の4教科と内申で判定、という特色がある高専もあります。
富山高専は国際ビジネス学科、商船学科があります。社会は必須科目であり、削れないですね。
富山県の入試早期化の影響については、「令和5年度富山県立入試を振り返るその2」で触れていきますので、興味のある方はお楽しみに。